現在、ヴィッセル神戸に所属する小池裕太(流通経済大→シントトロイデン)は、大学4年の夏にベルギーに渡った。アルビレックス新潟ユースから流通経済大学へ進学し、大学2年時の2016年には特別指定選手として鹿島アントラーズでルヴァン杯に出場した経験も持つ。優れた得点力を搭載する左利きの左サイドバックとしてユニバーシアード代表でも活躍して評価を高めた小池は、大学を休学してシントトロイデン行きを決断した。

 しかし、試合に絡めない日々が続き、海外生活への順応にも苦しんで半年で帰国。その後、鹿島への期限付き移籍終了後、セレッソ大阪、横浜F・マリノスを経て、今季から神戸に所属しているが、いずれも不完全燃焼のシーズン。帰国1年目の鹿島時代に決めた“ロベカル級”のプロ初ゴールが大きな話題を集めたが、昨季までの6年間でレギュラーに定着できないまま28歳となっている。

 昨夏のパリ五輪に出場した佐藤恵允(明治大→ブレーメン)は今季、FC東京で存在感を発揮している。コロンビア人の父を持ち、男性アイドルグループSixTONES(ストーンズ)のジェシーの従兄弟でも知れるアタッカー。実践学園高校から明治大学へ進んで力を伸ばし、3年時から背番号10を付けて活躍し、大学2年時に世代別代表に初選出されて知名度も高めた。そして大学4年の2023年8月、国内複数クラブからのオファーがあった中、ドイツ・ブレーメンへの移籍を決めた。そしてブレーメンU-23チームでプレーを続け、大岩ジャパンから継続的に招集されてパリ五輪のピッチにも立った。

 しかし、ドイツのトップチームでは3試合にベンチ入りしたのみで出場なし。2025年1月にFC東京と契約を交わして帰国した。現在23歳。1年半でドイツに見切りを付けた形となったが、迎えたJリーグ初挑戦となった今季は、ここまでリーグ戦全22試合(スタメン13試合)に出場して4得点3アシストをマーク。下位低迷と苦しむ中でも攻守にアグレッシブなプレーを見せてサポーターの心を掴んでいる。

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