党内では「神谷氏ファースト」
参政党のキャッチフレーズは「日本人ファースト」。アメリカのトランプ大統領の「アメリカファースト」をそっくりちょうだいしたようなコピーだ。
極右的と指摘されることもある政策では、減税や米の確保と並んで、「行き過ぎた外国人受け入れ反対」や、憲法をゼロからつくることなどを唱えている。
先のB氏はこう話す。
「日本人ファーストを掲げていますが、党内でいえば神谷氏ファーストですね。まず、神谷氏に絶対ついていくぞ、参政党のためには24時間戦えますという人の集まり。他の政党の党員と比較すれば、本気度が違うというところだと思います。ポスターのコピーはちょっと前は『政治はロックだ!』でした。ちょっとダサそうに見えるが、有権者からの受けは抜群。そういう、ネットやイメージ戦略の効果が急上昇を後押ししていると思います」
「外国人政策が共感を得ている」
政治評論家の田村重信氏は神谷氏が初当選した22年の参院選から、「参政党は数年後、一気に伸びてくる」と予想していた。今の躍進についてこう語る。
「参政党が急上昇しているのは、低迷する自民党、特に安倍晋三元首相を支持した右派の支援者が流れているためです。それにつられて、無党派層の支持も増えている。コロナ禍後、日本に外国人が急増している。このままだと外国人に乗っ取られてしまうような印象を持っている人が多い中で、まずは日本人を大事にしようという参政党の外国人に対する政策が共感を得ているように思う。あと、選挙戦術がうまい。全国に支部を設立して底辺を広げてから国政に、という手法がズバリあたっている」
自民党や公明党関係者によると、党が行った参院選の情勢調査で、参政党は全国比例区で複数の議席を獲得する公算が大だという。また、東京選挙区(定数6プラス1)、大阪選挙区(定数4)など、選挙区でも議席を確保する可能性があるという見方だ。
自民党の東京選出の衆院議員は危機感を募らせる。
「現場でやっている肌感覚では、公明、立憲民主、共産、国民民主に加え、参政党がそれぞれ1議席をとりそう。自民党は政権与党として2人の候補者を出し、2議席獲得を目指しているが、非常にきつい戦い。上位当選は難しいが、なんとか1議席はいけそう、2つ目はきついという印象だ」