
「スマホとSNSがなければ考え付かなかった」
「スカウトをしていて、女性を言葉巧みに誘い、どんな風俗だったら働けるのかを聞き出し、女性に風俗の仕事でも安心だと思わせるためのトークやスマートフォンを使った術を徹底的に磨いた。街で声をかけて口説き落とすナンパの腕には自信があったので、SNSでも試したいところもあった。いつしか仕事がなくなって、女性をSNSでうまく誘い出し、カネを奪って、あとはバラバラにして完全犯罪、今思うととんでもない方向に傾いていきました」
白石死刑囚はナンパの話になると饒舌だった。女性を殺害し、カネを引き出し、完全犯罪をする、そのツールがスマートフォンやSNSだったのか。白石死刑囚に聞くと、
「スマートフォンとSNSがなければ、考え付かなかったでしょう」
「SNSで自殺願望がある女性に『あなたの力になりたい』『助けましょう』と寄り添うように連絡すると、けっこう返信が来る。そこから女性を探し始めた」
白石死刑囚の口調は、“特技”を自慢するかのようだった。
最初の被害者となった女性(21)と、白石死刑囚は何度か食事に行ったり、悩みを聞いたりしている。それがなぜ、殺害することになったのか。
「自分の好みのタイプの女性でした。食事代、ラブホテル代、全部、払ってくれた。でも、別の交際男性もいたようで、銀行の預金もかなり減っていることがわかった」
女性からカネを引っ張り続けることができなくなって、殺害を考えたという。白石死刑囚は同年8月23日に最初の女性を絞殺し、遺体を風呂場で2日がかりで解体した。
その後も女性から金を奪うために犯行を重ねていく白石死刑囚。やがて、女性を強姦する目的も加わっていった。
また、遺体を風呂場で解体する際には、
「2度、3度と犯行を重ねると解体も短時間でできるようになった。ホームセンターの漂白消臭剤もすごく効き目があって、まさに完全犯罪を重ねていると自信を持っていた」
と、得意げに語った。