
出馬には誰の「後押し」があったのか?
だけど、世の中にはがんサバイバーはたくさんいるし、明日の自分の体の健康は誰にもわからない。予期せぬ事故に巻き込まれることもあります。人ごとじゃないんですよ。(見直しで削減されるとされる)5000億円が捻出できない政権って何でしょうか? なんでこんなことするんだろうと思っていたところ、今度は、一律2万円の現金給付で(予算は)3兆円でしょ。それは私、怒りを持って許せなかったんです。出馬を決めたのは、この怒りが1番大きかったです。
――蓮舫さんが参院議員になれば、そうした動きを止められるのでしょうか。それが国政を復帰してやりたいことなのですか。
止められるとまでは言い切れませんけれども、石破総理と直接正面から闘えると思っています。論戦を交わせるし、私の得意なファクトチェックをし、政策ができるまでの途中経過、公文書の流れを洗い出して開示することができます。それは、私は最前線でできる自負があります。
政治の姿勢を正したいのはもちろんですけれども、他にやりたい政策もたくさんあります。例えば選択的夫婦別姓は、ようやく自民党が動き始めました。児童虐待防止の法律改正や女性の政界進出を進める法案も、超党派で前に進めていくべきです。20年間の私の人脈は与野党を超えてありますから、そこでも役割を発揮できると思っています。同性婚を認める法改正もやりたいです。
――参院選出馬を決めるにあたって、大きな後押しとなったことは何でしたか。野田佳彦代表が熱心だったとの報道もありますが、野田代表とはどのような話をしたのでしょうか。
野田さんともお会いしたことは事実ですが、誰かに特別に説得された、ということはありません。去年の総選挙以降、党幹部も含めていろいろな仲間たちと交流する中で、自分のなかの気持ちと、党の方のお気持ちが、お互いに深まっていった感じです。
あ、でも辻もっちゃん(辻元清美参院議員)はすごく気にかけて連絡してきてくれましたね。(辻元氏は)あまり飲めないのにお酒飲もうよって言ってきてくれて、「誰よりも負けて挫折の経験がある私が言うから聞いて。戻っておいで」って。おひとり様対策も一緒にやろうと話しているんです。東京ではすでに、2世帯に1世帯が1人世帯です。男性の3人に1人は生涯未婚ですし、私もそのひとりですが離婚は3組に1組で、これからも1人世帯は増えていきます。けれど、ここへの政策って十分ではありません。