外岡さんによると、カスハラをしやすいのは、家族のケアに対してこだわりが強い人。「このサプリメントを飲ませてほしい」「水分摂取はこれぐらいにしてほしい」などと細かい要求をする傾向があるタイプだという。
「大切なご家族のためにおっしゃっているわけですから、それ自体がカスハラだとは思いません。ただ『絶対に飲ませてほしい』と強く押しつける場合は、カスハラになります」
日本介護福祉士会の前会長で、熊本市内の特別養護老人ホームで施設長を務める石本淳也さんは、介護現場のカスハラについて、「関係性が長く、深く、生活や命に直結するからこそのこじれやすさがある」と話す。
「ケアスタッフも生身の人間であり、人権と尊厳があります。お互いに尊重し合える良好なコミュニケーションを、日頃からとっておくことが何よりも大事。福祉サービスなら当然という思い込みもNGです。受け手が嫌と思えば、もうそれはカスハラです」
(AERA編集部・大崎百紀)
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