社員「社長大変です! 昨日の雨漏りで、在庫がすべて水びたしになりました!」
社長「それはちょうどいい! 近々、新パッケージに変えたかったんだよ!」
 

 じつはこのワーク、誰でも今すぐひとりで導入できます。

 問題解決の内容としては現実的ではないかもしれませんが、思考や言葉遣いのレベルで考えてみると、とても効果があるワークなのです。
 

 たとえば、出掛ける前にコーヒーを盛大にこぼしてしまったら──。

「ちょうどよかった! 床を水拭きするきっかけができた!」
 

 パソコンでつくっていたデータが消えてしまったら──。

「ちょうどよかった! 資料をもっとわかりやすくできる!」
 

 ばかばかしいと思うかもしれませんが「枠組みを変える=リフレーミング」の練習には最適です。

 リフレーミングは、うつ病などメンタルヘルスの治療現場でも用いられる認知行動療法や、ポジティブ心理学の技法として活用されています。
 

 たとえば「自分はダメだ」というネガティブな思考パターンを、もう少し客観的かつ前向きに捉え直すことで、不安や落ち込みを和らげ、自己肯定感を高める効果が確認されています。
 

苦手なあの人にも「ドラマチック」な日々がある

 別の発想で、ラジオDJのレモンさんこと山本シュウさんから教わった「Oh! ドラマチック!」という口ぐせがあります。

 たとえば、不機嫌な人に出会ったら、心の中で「Oh! ドラマチック!」とつぶやく。そうすると「きっとこの人には、そう振る舞わざるを得ないドラマチックな出来事があったんだろうな……」とイライラせずに済むのです。
 

[AERA最新号はこちら]