
「どうせ」「難しい」「めんどくさい」――。気付かぬうちに、こうしたネガティブな言葉を使ってはいないだろうか。あらゆる悩みが対人関係に起因すると考える「アドラー心理学」に基づいて、のべ3万人以上の「ムダな行動」を改善してきた佐藤悠希さんは、言葉遣いの小さな差の積み重ねが、未来の大きな変化につながると説く。佐藤さんの著書『不毛な時間をゼロにする』(サンマーク出版)から、ネガティブな言葉を肯定的に変えて、何も生み出さない不毛な時間をなくす習慣の作り方を紹介する。
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知らぬ間にあなたを嫌われ者にする4D言葉
小説やドラマの『下町ロケット』のモデルにもなった植松電機の社長・植松努さんをご存じでしょうか。
TEDの講演などでも有名なので、知っている方も多いと思います。
植松さんは「どーせむり」という言葉を変えることを提唱されています。
「どーせむり」ではなく、「だったらこうしてみたら?」に変えませんか、という提案です。
植松社長が子どものころ、学校の先生に「ロケットをつくりたい」と言ったら「どーせむり」と返され、とても悲しい気持ちになった経験があるそうです。子どもが描いた大きな夢を一瞬で奪ってしまうひどい言葉です。
こうした言葉は、私たちの挑戦を止めてしまう口ぐせの代表格。
「どうせ」
「でも」
「だって」
「ダメ」
いずれもDの発音から始まるので、これらは4D言葉と呼ばれます。
ネガティブな表現や言い訳として使われがちなので、なるべく封印したほうが良いとされています。
わたし自身、コンサルティング会社勤務の知人から「でも」「だって」「どうせ」と連発され、とても優秀な知人なのに何だか「心が冷めていく」感覚を味わいました。