※写真はイメージです。本文とは関係ありません(gettyimages)
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 子供の気持ちがどうであれ、自分がつらいということは、はっきり言えば、「子供は見ていない。ただ、自分の気持ちだけを見ている親」ということになりますね。

 しいなさん。どうですか? ミもフタもなく言えば、しいなさんの母親は、自分の気持ちだけに関心があって、しいなさんの本当の気持ちには、何の関心もない親、ということになりますね。

 でね、しいなさん。こういうタイプの人を説得するのは、本当に難しいと思います。何を言っても「あなたのことは私が一番分かっている」と反発するか「あなたのためを思って言っているのがどうして分からないの?」と考えるからです。

 つまりは、相手を「自分とは違う考えを持った、一個人」として見る訓練ができてないのです。

 しいなさん。ですから、母親を説得するというより、「母親が医学部の話題を持ち出したら、すぐに否定する」「医学部の話題になったら、その場を去る」という態度を粘り強く続けるしかないと思います。

 その代わり、会話を拒否するのではなく、「今の学部の面白さ」「大学の楽しみ」を語るのです。で、母親が「でも、医学部はね~」と言い出したら、すぐにその場を去る、という作戦を続けるのです。

 そうやって、少しずつ、母親に対して「私はあなたがコントロールできる存在ではない。私は私」というスタンスを示すのです。
 

 しいなさん。「母の学生時代の話を聞く限り、挫折の少ない学生生活を送ってきた」と書かれていますが、今、母親は働かれているのでしょうか?

 それとも、専業主婦でしょうか?

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