今回は選外としたものの大学生野手では松川玲央(城西大・遊撃手)も有力候補となる。首都大学二部で3度、一部で3度のベストナインを受賞。守備の安定感は大塚と比べると劣るものの、183cmの長身で抜群の脚力があり、スケールの大きさが魅力だ。今年春は右肘を痛めた影響でシーズン終盤と入替戦は欠場したため、現時点での12人からは外したが、秋に元気な姿を見せればまた十分1位も狙えるだろう。

 今回は12人中1人が大学生となったが、高校生では芹沢大地(高蔵寺・投手)、新井瑛太(滝川・投手兼外野手)などがプロ志望届を出さないと見られている点が大きく影響しているように感じる。ただ、夏の地方大会と甲子園次第では他にも浮上してくる選手が出てくることは十分に考えられる。

 社会人も昨年は伊原陵人(NTT西日本→阪神1位)、竹田祐(三菱重工West→DeNA1位)が夏場以降に評価を上げて1位となっただけに、竹丸和幸(鷺宮製作所・投手)、冨士隼斗(日本通運・投手)などもまだまだ評価を上げる余地はありそうだ。また大学生についてもまだまだ1位を狙えるポテンシャルを秘めた選手は少なくない。夏から秋にかけて、ここから一気に飛び出してくる選手が出てくることを期待したい。

・2025年6月15日現在で選んだドラフト1位候補12人

立石正広(創価大・二塁手兼三塁手)

石垣元気(健大高崎・投手)

斉藤汰直(亜細亜大・投手)

山城京平(亜細亜大・投手)

中西聖輝(青山学院大・投手)

桜井頼之介(東北福祉大・投手)

堀越啓太(東北福祉大・投手)

島田舜也(東洋大・投手)

小島大河(明治大・捕手)

松下歩叶(法政大・三塁手)

谷端将伍(日本大・三塁手)

大塚瑠晏(東海大・遊撃手)

(文・西尾典文)

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