
ソフトバンクの6年ぶり9度目となる優勝で幕を閉じた今年のセ・パ交流戦。トータルで見てもパ・リーグ全球団が勝率5割以上で、一方のセ・リーグは広島が何とか勝率5割で終えたものの、残りの5球団は負け越しと完全にパ・リーグ優位の結果となった。
ではここまで差がついた要因はどこにあったのだろうか。まず大きかったのがエースと言える先発投手の差ではないだろうか。優勝したソフトバンクで象徴的だったのがモイネロだ。6日のヤクルト戦では球団新記録となる18奪三振を記録。続く13日のDeNA戦でも13奪三振で1失点完投勝利をあげ、20日の阪神戦でも6回を1失点にまとめている。他の5人の先発投手も力はあるが、相手打線を圧倒するという意味での存在感は抜群だった。
右投手で今シーズン、現役ナンバーワンと言える投球を見せているのが今井達也(西武)だ。7日の広島戦では7回を投げて5失点で開幕戦以来となる2敗目を喫したが、17日のDeNA戦では被安打2、17奪三振で完封。試合終盤にも150キロ台後半をマークするなどスピード、スタミナともに圧倒的なものを見せた。伊藤大海(日本ハム)と早川隆久(楽天)は交流戦期間は1勝に終わったもののいずれもそれが完封勝利であり、宮城大弥(オリックス)は0勝だったが、14日の巨人戦では9回を投げて11奪三振で1失点と見事なピッチングを見せている。彼らのように長いイニングを投げて、なおかつ圧倒的な投球で相手打線を圧倒する存在がセ・リーグ球団の打線に与えた影響は大きかったはずだ。
一方のセ・リーグを見てみると菅野智之(オリオールズ)、小笠原慎之介(ナショナルズ)、青柳晃洋(フィリーズ)というエース格の投手3人が昨年オフに揃ってメジャー球団に移籍。さらに菅野に代わってエースとして期待されていた戸郷翔征(巨人)は開幕から調子が上がらず、8日の楽天戦では勝利投手となったものの、15日のオリックス戦、22日の西武戦ではいずれも打ち込まれて連敗を喫している。