ニュースでは報じられない、フツーのひとたちのありえない「出来事」を残す連載「デキゴトロジー」。今回はフリマアプリ「メルカリ」で“文通”を続ける女性の揺れ動く心の内を紹介します。
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四国在住のC子さん(33)のひそかなたのしみは知人のメルカリアカウントを、出品情報などから特定しチェックすること。どんなものをいくらぐらいで出品し、どんな評価を得ているかを見て、その人の本性を知り、楽しんでいる。
そんなC子さん、メルカリがきっかけで出会った男性とこの1年ほど文通を続けている。きっかけは男性が出品した音楽プレーヤーをC子さんが購入したこと。購入したプレーヤーには、おまけとしてCD10枚と便箋5枚におよぶ長文の手紙が添えられていた。「あなたの音楽人生に、少しでも彩りを添えるお手伝いができたら本望です」という締めくくりの一文が決め手だった。
文通相手は「40代・塾講師」だということではあるが、真偽は不明。文通を重ねるごとに相手への思いがつのるが、会って本性を知るのもこわい。
「本気で興味を持ったら相手の本性を知るのはこわくなるのね」
いつもの探求心を発揮させるのをとまどうC子さんである。
※週刊朝日 2023年4月28日号