山田には何とか復調してほしいが…(写真提供・日刊スポーツ)
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 ヤクルト・高津臣吾監督が山田哲人にこだわり続けるのはなぜなのだろうか?

【写真】この頃は輝いていた!絶頂期の‟天才オーラ”は別格だった山田哲人

ミスター・トリプルスリー”と呼ばれた強打者だが、以前と別人のようなプレーが目立つようになった。「若手を起用すべきでは……」の声は日に日に大きくなっているが、高津監督は山田を起用し続けている。

「なぜ山田にこだわるのか。勝負強い宮本丈や伸び代ある伊藤琉偉を使わないのが理解できない」の声がネット上で飛び交っている。

 セ・リーグ最下位を独走中のヤクルトだが、低迷原因の1つに挙げられるのが山田の不調。今季は54試合出場、打率.205、4本塁打、14打点の成績しか残せていない(数字は6月18日時点)。

「コンディション不良等も重なったが、近年は打率2割台前半、本塁打10本台が続く。今季への思いは凄まじく、体を徹底的に鍛え直し、食事も見直すなど必死にやっている。良い方向へ向かって欲しいのだが……」(ヤクルト関係者)

 数字だけでなくプレー内容を見ても、今後の飛躍的な改善は期待薄にも感じる。それでも休養日を挟みながら先発出場を続けており、批判の矛先が向くのも理解できる。

 今季はオープン戦中に左手指を脱臼、開幕を2軍で迎えた。4月2日に1軍昇格すると、5日の中日戦(神宮)ではNPB史上46人目となる通算300本塁打を記録。翌6日にも2試合連続本塁打を放ったが、その後が続かない。

「2試合連続本塁打を打った時は『さすが』と感じた。1軍昇格時に体と気持ちの両方をピークに上げて結果を出した。大黒柱の復帰と活躍にチームの士気も高まったのだが……」(ヤクルト関係者)

 期待されて先発起用が続いたが、打席では崩される形での凡退が目立つ。かつてはリーグ屈指とも言われた二塁守備でも46試合出場で4失策、守備率.982と不安定さを露呈している。

「下半身が使えない。打撃では強いスイングが生み出せず、守備ではフットワークが悪く捕球、送球の両方で安定感を欠く。年齢的な衰えなのか、コンディションが悪いのか……。本当に心配です」(ヤクルトOB)

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