
作詞家、ラジオパーソナリティー、コラムニストとして活躍するジェーン・スーさんによるAERA連載「ジェーン・スーの先日、お目に掛かりまして」をお届けします。
* * *
相も変わらずプロレス観戦に血道を上げる毎日です。先日はセンダイガールズプロレスリング(以下、仙女)の興行を観に行きました。
1年4カ月前、私は本連載で仙女の岡優里佳選手の奮闘を書きました。一生懸命ながらまだまだ心の強さが定まらない新人だった彼女が、優宇選手と橋本千紘選手の「チーム200キロ」という強敵とタッグ戦で戦い、勝ちはしなかったけれど決して負けもしなかった、観る者の心を揺さぶるような試合をした話です。
あのあと、岡選手はタッグパートナーの桃野美桜選手とタッグベルトを手にするまで成長しましたが、桃野選手が怪我で欠場。今回はウナギ・サヤカ選手と組んで、一度は彼女が手にしたタッグ王座のベルトを持つ岩田美香選手と高瀬みゆき選手のタッグ、「赫覚醒(レッドエナジー)」に挑みました。この二人もアホみたいに強い。なんなの、仙女に参戦する選手たち。
今回はタッグ戦ながら、仙女の先輩・後輩関係である岩田選手と岡選手の戦いが見どころのひとつ。仙女には強い先輩がたくさんいますから、後輩はひとりずつ倒していかなければならない。厳しい道です。結果は、岡選手大奮闘の末、ギリギリのところで岩田選手が岡選手からスリーカウントをとって勝利。