6月13日は習志野高校吹奏楽部の応援を味方にしたロッテがサヨナラ勝ち!(写真提供・日刊スポーツ)
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 NPBは「高校吹奏楽部とのコラボ応援」という優良コンテンツを見つけたようだ。甲子園常連校の吹奏楽部とコラボ応援を行うことで、観客動員数が飛躍的に伸びる。“通常営業”ならチケット販売に苦労するような試合も、同手法を用いることで人気試合に変えることができるのだ。

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 6月13日のロッテヤクルト戦(ZOZOマリン)はチケット完売となった。2チームは両リーグ最下位に低迷しており、通常なら注目度は決して高くない試合だ。しかし、高校野球の名門・習志野高吹奏楽部とのコラボ応援が開催されるなら事情は変わってくる。

「習志野高とのコラボは恒例行事。同校吹奏楽部は全国トップレベルで高い水準を誇り、“美爆音”と呼ばれる素晴らしいパフォーマンスを見せてくれる。今季はチームが低迷する中、営業的にも救世主です」(ロッテ関係者)

 両チームが点を取り合うシーソーゲームは、9回裏にヤクルト・大西広樹が2球連続暴投でロッテがサヨナラ勝ちを収めた。

「ロッテファンにとっては、勝ち試合を見られて良かっただろう。しかし最下位同士の対戦らしく、両チームともミスもあって締まらない試合だったのも事実。習志野高による応援のおかげで、良い雰囲気が維持された部分は大きい」(ロッテOB)

 当日は吹奏楽部員198人が来場した。試合前にグラウンド上で演奏を披露、試合中はロッテ側応援席で同応援団とコラボを行なった。競馬のGIファンファーレまで奏でられると、馬主でもある吉井理人監督が「競馬場じゃないかと思いました」と振り返っていた。

 NPB球団と高校吹奏楽部がコラボした歴史は意外と長い。2015年に高校野球100周年記念として、日本ハムが旭川実業高(北北海道代表)、駒澤大学苫小牧高(南北海道代表)の2校とコラボしたのが最初とされる(2019年4月26日「Number Web」より)。

 また、ロッテと習志野高とのコラボは地域振興活動「ALL FOR CHIBA」の一環で7回目を迎えた。それ以前にも試合前に習志野高が演奏したことは何度かあったという。その際には、演奏が終わった生徒が外野席に飛び入り、「ノリ」でコラボ応援をしたこともあったそうだ。

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