「バブル崩壊前、長銀に入り海運業界を担当。経済の厳しさを肌で感じた」(撮影・東川哲也/朝日新聞出版写真映像部)
「バブル崩壊前、長銀に入り海運業界を担当。経済の厳しさを肌で感じた」(撮影・東川哲也/朝日新聞出版写真映像部)

 岸田さんは最難関進学校として知られる開成高校から東京大学を目指して「2浪しています(笑)」。

 結局、早稲田大学法学部を出た。

 政治家になる前の5年間、重厚長大産業への資金供給を担う日本長期信用銀行(1998年破綻〈はたん〉)に勤めた。

「バブル崩壊直前、高松市に赴任して海運業界を担当しました。倒産を何度も目の当たりにするなど、厳しい現場でした」

 多忙な岸田さんの休日は。

「地味です。本を読むぐらいですかね。

学生時代は夏目漱石のような文豪に憧れ、芥川賞作家の庄司薫の作品を愛読しました。

今年は三島由紀夫生誕100年ということで『金閣寺』を読み返しました」

 参議員選挙を控え、自民党は守りの選挙が予想される。

 つかの間の読書タイムか。

(ここから先は本記事取材後に追加執筆したものです)

★「プラチナNISA」「こども支援NISA」に関する追加記事

 本記事の取材後、2025年4月23日に岸田さんは石破総理大臣に高齢者限定のNISAなどに関する提言を行った。

 岸田さんが会長を務める資産運用立国議員連盟(以下、議連)のメンバーが岸田さんとともに総理大臣官邸で石破総理大臣と面会、提言を手渡している。

 その提言内容について本誌から質問をし、岸田さんから回答を得た。

 提言内容に関して改めて抜粋しつつ、岸田さんの回答をそのまま公開する。

 明快な答えとなっていないものもあるが、あえて加工はしていない。

【プラチナNISAに関する議連の提言(抜粋)】

 高齢者が物価上昇の下でも、投資のメリットを受けつつ、生涯にわたって計画的に運用資産を活用して生活に充てることができるよう、高齢者に限定して対象商品の拡大・スイッチング解禁を図る「プラチナNISA」の導入など、政府は退職世代向けの資産運用サービスの充実に取り組むべきである。

(編集部からの質問)高齢者限定の「プラチナNISA」について、「対象商品の拡大」に関して「毎月分配型ファンドも可とする案」と報じられていた。本当か。

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