
最下位に低迷するヤクルトで、心配なのが山田哲人(32)だ。打撃の状態が上がらずに6、7番を打つことが多く、最近の試合ではベンチスタートが増えている。
【写真】この頃は輝いていた!絶頂期の山田哲人の‟天才オーラ”は別格だった
今年は左手指の腱を脱臼した影響で開幕を2軍で迎え、4月2日に1軍昇格。5日の中日戦で2回に先制の1号左越え2ランを放ち、プロ野球史上46人目となる通算300本塁打を達成した。 翌6日の中日戦でも2試合連続左越え3ランを放ったが、好調を持続できない。ここまで47試合出場で打率.204、3本塁打、12打点は満足できる数字ではない。
「山田の打撃不振の要因として挙げられるのが、速い直球への対応力です。以前は捉えていた球を空振り、ファールする場面が目立ちます。選球眼の良さに定評がある選手なのに、明らかなボール球に手を出すことが増えている。長打を打った球は真ん中に入った抜けた変化球が多いため、相手バッテリーは速い球で徹底的に突いてきている」(スポーツ紙デスク)
山田の全盛期はすさまじいものだった。履正社高から2010年のドラフト1位でヤクルトに入団すると、高卒4年目の14年に打率.324、29本塁打、89打点と飛躍し、最多安打(193本)のタイトルを獲得。一気にスター選手として頭角を現した。翌15年は打率.329、38本塁打、34盗塁で自身初のトリプルスリーを達成。本塁打王、盗塁王の同時獲得は史上初の快挙だった。ソフトバンクと対戦した日本シリーズ第3戦では日本シリーズ史上初の1試合3打席連続本塁打も記録した。
16年には故障で離脱した期間があったが、打率.304、38本塁打、30盗塁で2年連続トリプルスリーを達成。2度目のトリプルスリーは史上初だったが、18年にも打率.315、34本塁打、89打点、33盗塁で、前人未到の3度目のトリプルスリーを達成した。
ヤクルトでチームメートだったウラディミール・バレンティンは60本塁打(13年)のNPB記録を持つ強打者だが、山田について「あいつは天才だよ。あんな選手を今まで見たことがない」と楽しそうに語っていた。