中学卒業翌日にファミレスの面接へ

 芸能界の扉を叩く前の渡辺は、高校を3校受験するもすべて不合格。中学を卒業した翌日にファミレスのバイトの面接へ行き、3年働いて吉本興業の養成所「NSC」に通うための資金を貯めたという。

 その後は、個性や感性、そして人一倍の行動力によって国内外で活躍できることを体現してきた渡辺だが、近年はほかにも海外進出を狙う吉本芸人が増加。中でも、23年にイギリスのオーディション番組『ブリテンズ・ゴット・タレント』で日本人初の決勝進出を果たしたとにかく明るい安村は、現在まで世界各国からオファーが寄せられている。前出の新越谷氏が言う。

「吉本では、とにかく明るい安村やジェラードンなど、海外ウケのよさそうな芸人を次々と『ゴット・タレント』に投入して世界進出のチャンスをうかがっています。サンミュージックプロダクションのシューマッハが24年に『アメリカズ・ゴット・タレント』でゴールデンブザーを獲得しており、それ以前にも当時は松竹芸能所属だったゆんぼだんぷが同番組などに出演して話題を呼ぶなど他事務所所属の芸人が先行していましたが、いよいよ吉本も本腰を入れてきたということでしょう。

 そのほかでは、吉本興業のウエスPがTikTokで1,300万人以上のフォロワーを集め、そのほとんどが海外からのフォローだといいますし、ビックスモールンも350万人以上の登録者数を誇るYouTubeを足掛かりに海外からのオファーが絶えないそうです。今のところ海外でウケている日本の芸人の多くは体を使った芸で評判を集めており『言葉が通じなくても面白い』という条件がついていますが、直美さんはアメリカでトークライブツアーを行い、過去のインタビューでも英語での“話芸”でチャレンジしたいと話していましたから、そういう面でも楽しみな存在ですね」

 長年スターでありながら、親近感を抱かせるような飾らない人柄にファンも多い渡辺。どこまでビッグな存在になるのか注目される。

(小林保子)

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