
体の関係は「趣味の枠」
「お互い離婚して一緒になるのもいいなと思ったんですけど、向こうは『一緒になりたい』と言いながら、全然離婚する気配がないし、連絡が来たり来なかったりすることに一喜一憂して、メンヘラになっちゃいました。うつ状態や希死念慮がひどくなって、ツイッター(現X)の鍵垢でつらい気持を吐き出していましたね」
結局、男性からの連絡が途絶え、関係は終わった。だが、当初の疑問に対する答えは出た。
「恋愛感情みたいなものは満足できたというか、私にとって体で遊ぶことは、趣味の枠だということに気付いたんです。いろんなプレイを調べたり試したりすることが楽しい。当時、夫とはレスなので、例えて言うなら、読書好きな人が本を取り上げられているような状態ですよね。となると、その状態で夫婦を続けるのはよくないなと思ったんです」
こうして、自ら離婚を申し出たという。以降、みやさんは、マッチングアプリを使って、多くの男性との出会いを求めるようになる。
複数の人と同時に恋愛関係
「そのころに、ポリアモリーという概念を知って、それをやるのもいいんじゃないかなって思ったんですよ」
ポリアモリーとは、複数の人と同時に恋愛関係を築くことを認め合う恋愛スタイルのことだ。全員が合意していることを特徴としている。
「元夫のときもそうだったんですけど、1人の人に全部を求めるから依存するし、重荷にさせてしまう。だったら、依存先を分散するように、求める役割を人によって分けたほうがいいんじゃないかなって思ったんです」
男性嫌悪を持っている男性
みやさんには、頻度はさまざまだが、定期的に会って遊ぶ男性が5人ほどいる。
「特定のパートナーはいなくて、友だちという枠の中で、ホテルも行くしカラオケも行くし、ご飯やお茶だけのときもあるし、どれかだけの人もいれば、全部の人もいます。私が好きになりやすい人って、男性嫌悪を持っている男性なんです。『男っぽい考え方は苦手』という人や、独りよがりな気の使い方じゃなく、相手をちゃんと見て気を使える人とか」
風俗に足を踏み入れたのも、こうした好奇心の延長だったという。だが、性を楽しんでいるように見えて、みやさんの心境は複雑だった。