自身の半生と現在地を語ってくれた(撮影/インベカヲリ☆)
この記事の写真をすべて見る

 現代日本に生きる女性たちは、いま、何を考え、感じ、何と向き合っているのか――。父親の影響か、男性性の強い男性が苦手で、高校時代の性自認はレズビアンだったというみやさん(38)。高校卒業後、モラハラを行うトランス男性の彼氏と破局した後、23歳で初めて男性と付き合い、結婚しました。

【写真】女性向け風俗で働く30代女性、男性向けは「メンタルが削られる」

*   *   *  

男性は怖い生き物じゃない

 男性嫌悪は薄まったのだろうか。

「男性はそこまで怖い生き物じゃないかもしれないって思い始めたんだと思います。ゆっくり時間をかけて、男性とも付き合えるようになりました。元夫とは、10年くらい知人関係で連絡先も知らなかったんですけど、久々にグループの集まりで会ったらいい感じで、勢いだけで結婚しました」

 だが、その結婚生活は上手くいかなかった。

「私はもともと、メンタルを崩しやすいんです。モラハラの彼と付き合っていたときに、うつ病だと思って病院に行ったことがあったんですけど、そのときは適応障害という診断を受けて、ストレスか冷えが原因じゃないかと言われました。当時は、0‐100思考が強くてへこみやすかったし、体力がなかったから気力も続かない。ひどいときは一日中寝ちゃって、家事ができないことにめちゃくちゃへこみました。元夫はフリーランスで仕事を請け負っていたので、仕事を一部手伝っていたんですけど、協力関係は築けなかったですね」

ダブル不倫にのめり込んで

 風俗で働くきっかけも、夫婦関係にあったという。

「元夫とは、いわゆるセックスレスだったんです。私と比べて、元夫は性欲が薄いし、コミュニケーションが苦手な人だったから、行為そのものも面倒くさかったみたい。私だけがレスに困っていて、『レスの何に困っているんだろう?』って考えたときに、コミュニケーションの物足りなさなのか、体を突き合わせることなのかわからなかったんですね。それで答えを探るために、マッチングアプリで話し相手になる男性を探したんです。まずいと思ったら、途中でやめればいいやと思って。そしたらまんまと沼ってしまいました」

 相手の男性と何度か会って話すうちに、ホテルへ行くようになり、みやさんはすっかりのめり込んでしまった。ダブル不倫だったという。

次のページ 体の関係は趣味の枠