
日本最大級の野外音楽フェスティバル「フジロックフェスティバル」が7/25~27日の3日間、新潟県湯沢町で開催される。
苗場スキー場に舞台を移してから、今年で26年目。地元との宿泊施設や飲食店などの信頼関係を築きながら、日本を代表するフェスへと成長してきた。コロナ禍の2020年は開催中止に追い込まれ、2021年には国内のアーティストやバンドだけで観客動員を制限して開催。2022年には“いつものフジロック”を掲げるなど、この数年は多くの変化を経験してきた。
初来日のアーティストFred again..(英)、VULFPECK(米)がメインステージのヘッドライナー(トリ)に抜擢され、山下達郎が初めて出演するなど、今年も話題に事欠かないフジロック。一方で、昨年は観客動員数が20年ぶりに10万人を下回るなど、様々な課題も抱えている。観客の年齢層の変化、円安などの経済状況によるブッキングへの影響などについて、フジロックを主催するスマッシュの代表・佐潟敏博氏に聞いた。
観客数が減少した今、見えてきた課題と手応え
――コロナ禍以降、フジロックの現状をどう捉えていますか?
2023年はまだ影響があって、マスク着用のお客さんもいたんですが、昨年からは完全にもとに戻ったのかなと思っています。年齢層でいうと23年は少し下がったんですが、今年はおそらく平均41~42歳くらいかなと。
――やはり大人のオーディエンスが中心なんですね。
チケット代を考えても、若い人たちが簡単に来られるフェスではないのかもしれないですね。ただ、若いお客さんの数自体は増えているんですよ。「Under22」(16歳以上~満22歳以下)、「Under17」(16歳以上~満17才以下)のチケットも用意しているんですが、売れ行きも好調です。
――ここ数年は台湾、中国など中華圏からの来場者も増えているのでは?
2019年に比べると約2倍に増えていますね。アジア圏でのプロモーションにも力を入れていますし、日本のアーティストがアジア各国でライブを行うことで、「フジロックで日本のバンドを見たい」という人も増えている実感があります。
韓国、台湾のバンドも出演しているし、アジア圏のフェスとの提携も行っていて。海外のアーティストにとっても、フジロックだけではなく、いくつかのフェスを回るほうが効率がいいですからね。