横川楓さん
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 テレビ番組に先日、コメンテーターとして出演したのですが、その際に大きな話題になったのが“米の高騰”について。私もスーパーで値段の高さに驚いて、買うのをやめそうになりました。友人たちとも「お米、高いよね……!」という話が増えました。みなさんも日々、実感しているのではないでしょうか。

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コメ価格、再び値上がり4268円に ブレンド米も銘柄米も上がる」(5月19日配信、朝日新聞)

5~11日に全国のスーパー約1千店で売られたコメ5キロの平均価格は税込み4268円で、前の週より54円(1.3%)高く、2週ぶりに上昇した。前の週に昨年末以来18週ぶりに下がったものの、割安な備蓄米の販売量が伸び悩み、再び値上がりに転じた。


 主食であるお米が高騰すると、家計にも大きな打撃になりますよね。そもそも今回の米不足や価格高騰には、どんな背景があるのでしょうか。
 

米価高騰の原因は

 お米の価格は、さまざまな要因を受けて変わるわけですが、最近では2023年、記録的な猛暑のために各地でお米の収穫量が減少。その一方で新型コロナの収束に伴ってインバウンド需要が増加したことなどもあって、翌年は需要に対して供給が間に合わない状態になり、米価が急上昇することになりました。

 政府は1971年から2017年まで、お米の作りすぎで価格が下がりすぎるのを防ぐため、農家の所得が減らないようにと、お米の作付面積を減らす「減反政策」を続けてきました。18年に減反政策は廃止されましたが、お米ではなく小麦や飼料用米などを作る農家に補助金を出すなどして、実質的にお米の作付けを減らす政策が続いてきました。

 その結果、天候不順で不作になったり、急に需要が増えたりしたときに柔軟に対応することが難しい状況になっていると言われています。
 

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