食事もできず、山積みのモノの中にパソコンを置いていたダイニング/ビフォー
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 5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。

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case.95 家の1カ所でもきれいになると気分が変わる 夫・子ども2人・義母/会社員

 学校で勉強したことは大人になっても覚えていて、生きていくために役立つことが多いです。私は“片づけ”も生きていくためにとても役立つことだと思っているのですが、学校では教えてくれません。

 親や家族を見て自然と身につくことだと思われているかもしれませんが、その人たちが片づけられない場合、どうやって片づけ方を知ればいいのでしょうか。

 今回ご紹介する女性も、親が片づけられず、自分も片づけられなくなったと話してくれました。

「実家はいつも散らかっていて、私もずっと片づけが苦手。結婚して子どもが2人生まれた頃から、家事・育児に加えて義母の介護や夫の体調不良などで負担が大きくなって、家の中がぐちゃぐちゃになってしまったんです」

 5人で暮らす家の中は、テーブルや棚の上、床にまでモノが広がっていました。毎日探し物ばかりで、そもそもこの家中にあふれているモノは必要なモノなのか、ゴミなのかもわからない。週2回ほどの在宅勤務のときには、テーブルの上のモノを押しのけてパソコンを置くスペースを作る。そんな状態でした。

「使いたいモノが見つからないことが原因で、家族とケンカすることも多かったですね。お互いに、相手のせいにしている感じ。ゆっくり家族で過ごす空間もないので、落ち着いて話もできませんでした」

 片づけたいけれど、どうしていいのかわからず、目の前のやるべきことをこなすだけの毎日。ある日、ゴミの中に埋もれている自分を客観的に見たとき、「もうこんな生活はいやだ!」と号泣してしまいました。

 そのとき、ふと彼女の脳裏に、いつかSNSで見て気になっていた“家庭力アッププロジェクト®”のことが浮かんできました。

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