
「片づけの本を読んでちょっと実践しては挫折する、ということをくり返していたので、『もう自分一人でどうにかするのは無理だ』とあきらめていました。片づけのプロに習って、同じような悩みを持つ仲間と一緒に片づけるという内容を聞いて、『これだ!』と思って参加したんです」
それまで、彼女は家族と「うち、散らかっているよね」「片づけないとね」という話はしていたものの、誰も手を動かしませんでした。夫や義母は余裕がなく、子どもたちは小学校低学年と幼稚園。「私がやるしかない!」と、彼女は自分を奮い立たせました。
片づけ方を知らなかった彼女にとって、“モノを紙袋や段ボール箱に入れて置いておく”ということが片づけでした。これではモノはどんどん増えるばかり。
「まずは不要なモノを徹底的に手放すことから始めたんですが、家にあるモノが大量だったので“いる・いらない”を判別するのが大変でした。5年以上前に賞味期限が切れている調味料やドレッシングが出てきてビックリ。2ページくらいしか続かなかった勉強や日記のノートもたくさんありましたね」
家の中がきれいになってくると、夫は「すごく片づいたね」と喜んでくれました。これまでの悩みだった片づけが進むにつれて彼女の気持ちにもゆとりが生まれ、夫や子どもに対して優しく接することができるようになったと言います。
「子どもがわがままを言ってワーッと泣いたとき、今までは怒りで返してしまっていました。でも今は、『どういう気持ちで泣いちゃったんだろう』『本当はどうしてほしいのかな』と考える余裕ができたんです」
さらに片づけは、時間の余裕にもつながりました。