最後の対決は、87年9月27日。6回2死無走者、掛布はカウント0-2から江川の外角カーブを見逃した直後、「えっ、あれがストライク?」という表情を見せた。かくして、本塁打で始まった両者の対決は、三振で終わった。この日現役最後の通算135勝目を挙げた江川は、日本シリーズ後に32歳で電撃引退。ライバルを失った掛布も、翌88年に33歳でユニホームを脱ぎ、昭和のプロ野球は終わりを告げた。
二人の通算対戦成績は、168打数48安打の打率.287。14本塁打の掛布に対し、江川も21奪三振、勝負はほぼ互角と言ってもいいだろう。
(文・久保田龍雄)
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