夫の「還暦祝い」はまさかの失敗?
私は近くの図書館に出向いて、夫が生まれた日、1958年5月4日の新聞をコピーしてファイルし、子どもたちとのメッセージも添えて。赤いチャンチャンコはどうかなあと、文化人類学者の夫にこれからも元気で歩き回ってほしいなあと思って、ちょっとかっこいい赤のスニーカーを準備。もー完璧!と、旅先のホテルで「ジャジャーン! ハッピーバースデー! ハッピー還暦〜!」って、沖縄の明るい朝の光の中で子どもたちとお祝いし、「ワオ〜最高!」と思ったら、夫は無反応……まじで無反応! それどころか「すん……」という文字が部屋中に見えるほどシラーっとしちゃって。
夫いわく、「受け入れられない」と。そうなんです、60歳という年齢を受け入れられないと大ショックを受けてせっかくのお祝いも台無し。もー、どうなっているんだ? と思った最悪の思い出になりました(笑)。
そのことがあったので、私は「還暦」に対して、彼に追いつくこの7年の間、どこかで免疫みたいなものを醸成していたのかもしれない。そして、なんとなく大丈夫な気がしていたけれど、いざ、自分以外のところから突きつけられると「ショック!」……あれ、まるで7年前の夫と同じじゃないの?(笑)
さらにさらに、カンレキの話は身近なゴミ出しにもつながるのです。この4月から東京の私の住む地域ではプラスチックの回収が始まりました。これまでは「サーマルリサイクル」といって、高温のゴミ焼却炉で燃やすことでそれをエネルギーとして活用する方式をとっていたのでプラスチックは可燃ごみとして全て処理していました。そのやり方がSDGsを視野に入れたファイナルアンサーだと思っていたので、正直どうして今更プラスチックを分けるの? と驚きました。そしてなんとなく納得できないままとりあえず、あめの包み紙とかハムの包装とか、何をどんなふうに分けなくちゃならないのかしら、とわからないことだらけでいろいろ調べていて、区が出している動画に行きつきました。