
先日、とあるスポーツ新聞の取材を受けた。入社2年目というフレッシュな女性記者がやってきた。開口一番「先日還暦を迎えられて、今の気持ちはいかがですか?」と。
そうなんですよ、還暦なんです。還暦になっちゃったのよね。はっきりいってこれまで自分の年齢を隠したことはないし、なんなら自分から申告していたし、ずっと年齢なんてただの数字よ〜ぐらいな気持ちでいたのですが、実はですね、その前日、とある私に関する記事をネットで目にしたのです。そこで意図せず初めて「武内陶子(60)」という表記を目にしてしまったのです。「目にしてしまった」というこの書き方、明らかにショックを受けてますよね? そうなのです。何かよくわからないけれど、(60)という数字を突然意図しないところで突きつけられた時に、私の心が揺らいだのです。
自分で「還暦〜還暦〜! とうこ、カ〜ンレキ〜♪」などと言って喜んでいたのは、ただのフリだったのか? いや、自分で言う分にはよいのだけれど、改めて他人から指摘されたことで違う面が見えたというか、そうか60なんだなあとしみじみしたというか。意図しないところで自分のことについて(60)と指摘されたのが、ちょっと暴力的に思えたというか、悪口を言われたような気がしたというか。面白いものですねー。人の心というものはなんとモロイものか、と人間の心の有りようというものに改めて気づかされた私でございます。
実はこれには前段がありまして。うちの旦那は私より7歳年上。つまり7年前にわが家は旦那の還暦を迎えたのです。サプライズ好きの野生のトーコとしては、これはお祝いせねばとハリきったわけです。旦那の誕生日は大型連休中。その年は沖縄旅行に行くことにしていて還暦の誕生日は沖縄で。まだ小さかった子どもたちと一緒に、こそこそとお祝い動画を撮り、子どもが小さい頃からの大の仲良しママ友たちのファミリーからも「還暦おめでとー!!」の動画メッセージをもらい(あの時はほんとにありがとうねー!)、はたまた旦那の親友からも動画メッセージをもらいました。