
私自身、日本でタンポンを購入して使用したことはありますが、出血量が多い時やプールや海などに行くときに限ってタンポンを使うのだと思い込んでいたせいか、売り場の棚の下の方に置かれているタンポンではなく、主に生理用ナプキンを使っていました。そのため、アメリカで初めてドラッグストアの生理用品コーナーに行った時に、あまりのタンポンの種類の多さに、そして日本ではメインで売られている生理用ナプキンの少なさに驚愕したことを覚えています。
生理用品にかかる費用の日米の差
最後に、福島県相馬市[※4] によると、女性特有の生理用品などにかかる費用は1カ月で約500~1,200円、生涯で40万円ほどといいます。もちろん、出血量や生理の期間により個人差はあるものの、女性が毎月必ず必要となる生理用品への出費は、大きいものです。
Plush Careによると、アメリカ[※5] では生理用品を購入する州はもちろん、使用頻度や製品の種類によって異なるものの、生理用品に対する平均的な出費は月に約8ドルから15ドルほどです。New York Post[※6] によると、インフレによる影響で過去5年間でタンポンの価格は約36% 上昇しており、米国では月経のある女性1,690万人が貧困状態にあり、そのうち3分の2の女性がナプキンやタンポンなどの月経用品を購入する金銭的な余裕がない状態にあるという報告も[※7] あると言います。
アメリカでは州ごとに生理用品に対する消費税の取り扱いが異なってはいるものの、2025年5月時点で、カリフォルニア州、ニューヨーク州、マサチーセッツ州、フロリダ州、テキサス州、ミネソタ州など、24の州で消費税免除の対象となっており、購入時に税金が課されることはありません(ただし、州内でも郡や市によっては独自の税制が適用される場合があるとのこと)。
生理用品は必需品であるとみなされるべきだという認識、「生理の貧困(period poverty)」の問題が社会的に認知され、免税がその一つの解決策とされていること、多くの必需品(食料品、医薬品など)は税金が免除されている一方で生理用品は歴史的に課税対象とされていたことに対するジェンダー平等の観点からの見直しといった社会的・倫理的な視点に加えて、全米で「タンポン税撤廃運動」が活発化したことが、多くの州における生理用品を必需品として認定し、免税措置の導入を後押ししたといいます。
残念ながら、日本では、まだナプキンやタンポンなどの生理用品に対して、10%の消費税が課されています。2019年10月に軽減税率制度が導入されたものの、生理用品は対象外とされたからです。日本でも、経済的な理由で生理用品の購入を控える人々が存在し、これが健康や生活の質に影響を与えていると指摘され、「生理の貧困」が注目されています。しかしながら、現時点では法改正には至っておらず、引き続き課税対象となっているのです。
もちろん、免税することだけで生理の貧困が解決されるわけではありませんが、生理用品は贅沢品ではなく必需品であることは間違いありません。日本でも、生理用品を必要とする人にとって、より快適に過ごせる、自分に合った生理用品が手に入りやすい環境が1日でも早く整うことを願っています。
【参照URL】
[※1]https://www.unicharm.co.jp/ja/company/news/2025/0312-02.html
[※3]https://www.d-unicharm.jp/item/100863.html
[※5]https://plushcare.com/blog/cost-of-your-period/
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