山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師
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 日々の生活のなかでちょっと気になる出来事やニュースを女性医師が医療や健康の面から解説するコラム「ちょっとだけ医見手帖」。今回は「生理にまつわる経験談」について、鉄医会ナビタスクリニック内科医・NPO法人医療ガバナンス研究所の内科医・山本佳奈医師が「医見」します。

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 先日、「生理中の睡眠」に関する取材[※1] を受けました。世界睡眠学会(World Sleep Society)により、睡眠に関する正しい知識の普及などを目的に制定された「世界睡眠デー(毎年3月の第3金曜日)」に合わせて「生理中の睡眠に関する調査」を実施した結果、なんと、2人に1人以上の日本人女性が経血モレへの不安により、睡眠時の精神的・身体的な影響を受けていること、そして生理中の睡眠時間は、体感で2時間程度も短縮されている実態が明らかとなったというではありませんか。

 私が初潮を迎えたのは10歳の頃でしたから、かれこれ26年も生理と付き合ってきていることになります。幼い頃は、「生理って、なんて面倒なんだ」と思ったこともありましたが、いつの間にか生理を受け入れ、自分にとって当たり前のものになりました。取材を通して、改めて生理について、生理用品について考える機会をいただいたので、今回は、私の個人的な生理にまつわる経験や考えをシェアしたいと思います。

生理痛がひどくて婦人科に

 20歳の頃、日常生活に影響を与えるほど生理痛がひどくなり、婦人科に駆け込みました。先生の勧めで低用量ピルを内服するようになってからは、月経痛は大幅に改善し、快適に過ごせるようになりました。毎月生理はやってくるものの、月経量は減少し、生理用品の使用頻度も減り、下着や服、ベッドのシーツなどを汚すことは少なくなりました。何度も失敗を重ねたことで、生理がやってきそうなタイミングでは念の為に生理用品を持ち歩き、汚しても悔やまれない服や下着を着用するようになりました。

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