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 トランプ米大統領の関税政策による世界経済の後退懸念などから、「安全資産」とされる金(ゴールド)の需要が高まっている。

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「最近はネックレスや指輪など、金が含まれるアクセサリーを店頭にお持ちいただき、以前と比べて、どれだけ買い取り価格が高くなったか確かめるお客様が増えています」

 そう語るのは、高級ブランドのバッグや時計のほか、金、銀、プラチナといった貴金属の買い取りや査定を行う買取店「わかば 東急ストア三鷹センター店」の店長。

わずか3営業日で再び最高値

 4月22日、国内の金の販売価格の代表的な指標である田中貴金属工業の店頭販売価格(10%の消費税込み)は、1グラムあたり1万7160円となり、節目である1万7000円台を突破、過去最高値を更新した。これは、同月17日の1万6885円を上回り、わずか3営業日で再び最高値を塗り替えたことになる。

 背景としては、トランプ政権の関税政策などで、世界経済の先行きが不透明になっているうえ、株価などの金融市場が混乱していることが挙げられる。安全資産とされる金の需要が高まり、相場の上昇に拍車をかけているのだ。

「最高値を更新したことで、当店でもかなりの高値で買い取りできるようになりました。近隣の買取店舗をいくつも回って、買取価格を比較されるお客様も多いですね」(同)

 どの店舗でも査定価格に大きな差は出にくいが、それでも、過去最高値となれば、1円でも高く売りたくなる気持ちもうなずける。

 また、ネックレスや指輪などのアクセサリーにとどまらず、金歯も買取対象だ。最終的には溶かして再利用するため、片方だけのピアスやイヤリングも問題なく買い取ってもらえる。

「そのほかにも五輪や万博などで販売された記念金貨も買取対象です。当時10万円程度で購入されたものでも、価格高騰によって高額での買い取りが可能になっています」(同)

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