一方今まで男女シングルが牽引してきた日本は、今回の国別対抗戦ではショート・フリーともに1位だったペアの三浦璃来&木原龍一が中心的存在となっていた。北京五輪の銀メダル獲得にも貢献した三浦&木原は、今季世界選手権で2度目の優勝を果たしている。シングルでも、世界選手権女子2位坂本花織、同3位千葉百音、男子3位鍵山優真は、世界トップクラスの実力を持つ。

 世界選手権と国別対抗戦にアイスダンス日本代表として出場したのは、吉田唄菜&森田真沙也である。結成2季目で臨んだ世界選手権には個人のミラノ五輪出場枠がかかっていたが、僅差でフリーダンスに進むことができず、五輪最終予選(9月、北京)での確保を狙う。万が一、日本が五輪最終予選でアイスダンス個人の出場枠確保に至らなかったとしても、団体戦には出場できる(個人で4カテゴリーのうち3カテゴリーの出場枠を確保していれば、残り1カテゴリーは個人の出場枠を確保していなくても団体戦に出場可能)。しかし日本アイスダンスの未来のためにも、個人の出場枠は是非確保したいところだ。

 栄光の歴史を持つ男女シングルに加え、ペアの躍進で、真のフィギュアスケート大国に近づきつつある日本。団体で悲願の初メダルを獲得した北京五輪に続き、ミラノ五輪はその歩みを確かにする大会になるはずだ。

(文・沢田聡子)

[AERA最新号はこちら]