世界フィギュアスケート国別対抗戦で2位となったチーム日本、ミラノ五輪でもメダルの期待がかかる(写真提供・日刊スポーツ)
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「この(日本チームのメンバーの)中に、今後オリンピックの団体戦を経験する選手ももちろんいると思います。『この団体戦の経験が、オリンピックの時に生かされたらいいな』とすごく思いました。やっぱり自分自身、滅多に団体戦の経験はできないので、こうやって大事な(2026年ミラノ・コルティナ五輪)シーズンの直前に経験できたことは、すごく良かったなと思っています」

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 世界フィギュアスケート国別対抗戦(4月17~20日、東京体育館)のフリー後、坂本花織は冒頭の言葉を口にした。女子シングルのショートプログラム2位、フリー3位に入った坂本の貢献もあり、日本は優勝したアメリカに次ぐ2位となった。

 基本的には個人種目であるフィギュアスケートにおいて、国別対抗戦は国際スケート連盟(ISU)が主催する唯一の団体戦だ。国別対抗戦は、2009年に初めて開催された。一方五輪での団体戦は、2014年ソチ大会から正式種目となっている。

 男女シングルに各国2名が出場する国別対抗戦は、男女シングルは各国1名が出場する五輪の団体戦とは形式が少し異なる。だがどちらも国としての総合力を競うもので、結果に大きな差はないと考えていいだろう。2022年北京五輪・団体戦終了時の1位ロシア、2位アメリカ、3位日本という顔ぶれは、2021年国別対抗戦の1~3位とまったく同じだった(北京五輪で、ロシアはドーピング問題により女子シングルの順位点を失ったため、正式な順位は1位アメリカ、2位日本、3位ロシアに変更)。今年の国別対抗戦も、約10か月後に迫ったミラノ五輪の前哨戦だったといえる(ロシアはミラノ五輪の団体戦には出場できない)。

 北京五輪王者のアメリカは、ミラノ五輪でも日本の最大のライバルとなりそうだ。アメリカは自国開催の今季世界選手権(3月・ボストン)で、3カテゴリー(男女シングル・アイスダンス)を制する強さをみせた。女子シングル優勝のアリサ・リウ、男子シングル優勝のイリア・マリニン、アイスダンス優勝のマディソン・チョック&エバン・ベイツは、国別対抗戦でもショート/リズムダンス・フリーともに1位だった。

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