
西教授はまさにそんな新たな発見の連続こそが恐竜の魅力だと話す。
「映画の『ジュラシック・パーク』に出てきた恐竜像が、新たな化石研究によって今は違うものに変わっています。スピノサウルスは両足が大きく陸上を走っていましたが、今ではもっと体は小さく、川を泳いで魚を捕っていたと言われています。ビジュアルも動きも常にアップデートされていく研究を学生たちには楽しんでほしいです」(西教授)

恐竜学部では学生の卒業後の進路として、研究者や学芸員に加え、土木・建設、環境アセスメント、防災関連分野の職業を想定している。今は、地盤や地質調査もバーチャルリアリティーを用いて記録を残し、ビッグデータやAIが活用される。防災計画においては自然科学の知識の有無が問われる。いずれも人材不足がさけばれる分野だけに、デジタル技術を駆使しての発掘実習など、恐竜学部での学びが生かされる。
「仮に研究者になれなかったとしても、恐竜が仕事にならなくても、恐竜は一生楽しめる趣味になると思います。社会に出てからもずっと恐竜に関わってほしいと願っていますし、そう考えてもらえるような学部にしていきたいと思っています」(西教授)

(AERA編集部・秦 正理)