投資CFがマイナスであるということは、いわば血液(現金)を使って将来のために“筋トレ”をしている状態。現金は減りますが、新しい設備や工場などを手に入れることで、もっと強くて大きな体になろうとしている意思の表れなのです。

 逆に、投資CFがプラスのときは、現金は増えますが、会社がもっていたビルや工場、株や債券は減っています。つまり筋肉を削って血液を作り出しているような状態です。

【図解】一目でわかる投資CFの「プラス」と「マイナス」
【図解】一目でわかる投資CFの「プラス」と「マイナス」

 事業と関係のない投資有価証券や不稼働資産を売却しているのであればさほど問題はありませんが、事業からの資金不足(営業CFのマイナス)を補うために資産を売っている場合は要注意。筋力が衰え、中長期的な業績に悪影響を与える危険性があります。

《好評発売中の書籍『決算書「分析」超入門2025』では、「お金の貸し借り」に関する財務キャッシュ・フローの見方や、損益計算書、貸借対照表とのつながりについても詳しく解説しています》
 

書籍『決算書「分析」超入門2025』(朝日新聞出版)
書籍『決算書「分析」超入門2025』(朝日新聞出版)
こちらの記事もおすすめ 【3分でわかる】決算書の「キャッシュフロー」って何? 分析のプロが教える、この数字が超大切な理由
[AERA最新号はこちら]