小峠英二さん=25年4月、和仁貢介撮影

「テレビの底力」を感じたのは

――すべてが強烈な中でも、特に印象に残っているお店は。

ヒロミ:えー。難しいなこれは。本当に全部が強烈だからな(笑)

小峠:僕は安くしすぎて、店主自らUber Eatsで働きながら経営しているお店かな(21年6月22日放送 横浜市「食楽たざわこ」)。オンエア中に支援の電話とかがたくさんかかってきて。頭に残っているし、1番泣きそうになった。

ヒロミ:「テレビってまだ力があるんだな」って思った瞬間だよね。

 テレビよりもインターネットと言われて、俺らもどこかでそう思ってた。もしかしたらテレビって、もう負けているじゃないのかともね。でも、この番組でオンエアしたら、多くの人が食べに行ったり、お店の電話が鳴りやまなかったり、店主さんのリアクションだったり。あれは感動作だよな。

小峠:感動作だし、名作だと思いましたね。

ヒロミ:俺が印象的なのは、やっぱり、「騒ぐんじゃねえ」の鈴子ちゃん。レギュラーになった初回に鈴子ちゃんの店をオンエアしたら、反響がすごかったんですよ。「テレビは、面白いとちゃんと数字取れんだ」って実感したんだよね。特番でも結果は出していたんだけど、鈴子ちゃんが初回に出てきて、世の中の人が見てくれたというのが、すげえなと思って。鈴子ちゃんと出会ってなかったら、もしかしたら番組も、ここまで続かなかったかもしれない。人との出会いとスタッフが作り上げた関係性が、この番組の力。テレビの底力だとも思いましたね。

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