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今、多くの企業が人手不足に悩み、離職を防ぐことは喫緊の課題となっています。

その対策として挙がりやすいのが「給料を上げること」です。その背景には「給料を上げれば離職者は減る」という考えがあります。

はたしてこの考えは正しいのでしょうか。

経営心理士として1200件超の経営改善を行い、経営心理士講座を主宰する、一般社団法人日本経営心理士協会代表理事の藤田耕司氏の著書『離職防止の教科書――いま部下が辞めたらヤバいかも…と一度でも思ったら読む 人手不足対策の決定版』から一部を抜粋・再編集し、「給料を上げれば離職者は減るのか」についてお伝えします。

給料を上げれば離職者は減るのか?

 「離職者が多いので、給料を上げたほうがいいですか?」

 私は経営心理士、公認会計士として人間心理に基づいて業績を改善する経営コンサルティングをしていますが、その中で上記のご相談は最近多いものの1つです。

 「給料を上げれば離職者は減る」

皆さんはこの考え方についてどう思われますか?

 「給料に不満があった」「もっと給料がいい会社から誘いを受けた」

 こういったことが原因で離職する人はたくさんいます。そのため、給料が高いことは離職を防ぐうえでも重要なことです。

 ただ、給料を上げたことで若手の離職が増えた事例は複数あります。今回はそのうちの2つをお伝えしたいと思います。

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