
2022年オフにスタートした現役ドラフト。一昨年は細川成也(DeNA→中日)、大竹耕太郎(ソフトバンク→阪神)、昨年は水谷瞬(ソフトバンク→日本ハム)などが大きく成績を伸ばしてチームに欠かせない戦力となった。昨年オフに移籍した選手についてはどうなのか。ここまでのプレーぶりから目立つ選手をピックアップしてみたいと思う(成績は4月27日終了時点)。
まずここまでで最も結果を残しているのが吉田賢吾(ソフトバンク→日本ハム)だ。昨年までは一軍で通算5安打に終わっていたが、今年は開幕一軍入りを果たすと4月2日の古巣ソフトバンクとの試合ではプロ初ホームランを記録。ここまで打率は.222と高くはないものの、3本塁打、7打点をマークしているのだ。特筆すべきは.511という高い長打率である。ここまで放った10安打のうち長打は半分以上の6本(二塁打2本、三塁打1本、本塁打3本)というのは見事という他ない。登録は捕手だが外野とファーストで出場することも多く、守備面も無難にこなしている。同じく元々捕手ながらトレードをきっかけに打撃を生かして昨年ブレイクした郡司裕也というロールモデルがチームにいるというのもプラスではないだろうか。チーム内の競争は激しく、レギュラー定着は簡単な状況ではないものの、長打力は大きな魅力だけに今後もスタメンで起用される機会は多そうだ。
投手で存在感を示しているのが田中瑛斗(日本ハム→巨人)だ。日本ハムでは怪我もあって7年間で一軍登板10試合で1勝4敗と結果を残すことができなかったが、巨人ではキャンプからアピールして中継ぎとして開幕一軍入り。ここまで10試合の登板で5ホールドをマークするなど貴重な戦力となっているのだ。防御率は5.19だが、これは4月26日の阪神戦で4失点をした影響が大きく、登板した10試合中8試合で無失点を記録している。ストレートはコンスタントに150キロ前後をマークし、スライダーも大きな武器だ。今後もブルペンを支える一人として期待がかかる。