中学教員の42%が指導者を希望
教育的意義とは、同じ興味を持つ仲間と出会える、集団行動や規律を守ることによって相手を尊重する姿勢を学べる、などだ。
市教委が昨年、行ったアンケートによると、中学校教員約1400人のうち、42%が部活動の指導者になることを希望した。
実は他の自治体でも顧問に肯定的な教員は少なくなく、神奈川県川崎市が行った教職員勤務実態調査(2023年度)では、中学校教員の36.6%が部活動・クラブ活動について、「やりがいを感じる業務」と答えている。
「人材バンク」を設立、時給は1600円
部活動顧問となる人材を教員以外からも幅広く確保するため、熊本市は「人材バンク」を設立する。すでに市職員295人、大学生204人、地域住民53人などが手を挙げているという。最終的に指導者1600人(顧問800人、副顧問800人)の確保を目指す。
報酬面も見直す。これまで教員が部活動顧問を務めても「手当なし(平日の場合)」だったが、「新しい部活動」に移行後は「人材バンクに雇用された指導者(教員と兼職兼業)」として報酬を支払う。
額面は、指導者が部活動の顧問を務めると1600円/時、副顧問には1000円/時だ。顧問が週5日(44時間)活動した場合の月額報酬は7万400円と試算されている。報酬は人材バンクと並行して設立する「基金」から支払うという。
事業費用は年間6億5000万円を見込むが、その約半分、約3億2000万円を受益者(保護者)負担でまかなう予定だ。公費(約23%)も投入するほか、企業(約27%)にも寄付や協賛を求める。
企業は、スポーツ用具メーカーやスーパーマーケット、飲料水メーカーなどを想定する。学習塾も興味を示しているという。
保護者の負担額は現行+3000円
保護者の負担額は、現行の部費にプラスして月額3000円程度になる見込みだ。
「保護者にアンケートをとると、『月額3000円程度なら受け入れられる』という意見が最も多かった。クラブチームの場合は月額7000円ほどと聞いていますから、それよりも安くすむ」(朽木課長)
「新しい部活動」が子どもたちの「居場所」となることも重視したという。
「保護者にとっても責任主体が市、学校なので安心して子どもをまかせられます」(同)