日本テレビを代表する人気番組『月曜から夜ふかし』（日本テレビ系）がピンチを迎えている。取材対象者のインタビュー内容を捏造していたことが明らかになったからだ。
【写真】地上波で見ないのに「年収2億円」のお笑いコンビはこちら
3月24日放送回では、中国出身の女性が街頭インタビューに応じていた。オンエアされた映像の中で彼女は「あんまり中国でカラス飛んでるのはいないですね。みんな食べてるから少ない。とにかく煮込んで食べて終わり」などと発言していた。
しかし、実際には、この女性はそのような趣旨の発言はしていなかった。別の話題について話した内容を制作スタッフが意図的に編集したことで、あたかも日常的にカラスを食べていると言っているような印象を与えてしまった。
番組の公式サイトでは、日本語と中国語の謝罪文が掲載された。放送倫理・番組向上機構（BPO）の放送倫理検証委員会は、この問題で『月曜から夜ふかし』が審議入りしたことを発表した。国際問題に発展してもおかしくない重大なトラブルであり、このことで番組が打ち切りになってもおかしくない。
街頭インタビューなしの今後は
問題発覚後、この番組では街頭インタビューを一切取りやめて、制作プロセスを見直すことになった。街頭インタビューをメインの企画にしていたため、それができなくなるのは厳しい。鳥が翼をもがれるような大ダメージである。
さらに言えば、この事件は、当事者であるこの番組や日本テレビだけではなく、テレビ界全体にとって大打撃となるかもしれない。なぜなら、街頭インタビューで一般人の話を聞いて、それを面白いものにするという手法自体に疑問が持たれ、それをやりづらくなったからだ。
街頭インタビューはテレビ番組の中で当たり前のように行われている手法であり、視聴者にとってはもはやそれほど珍しさを感じないかもしれない。ただ、作り手からすると、必ずしも効率の良い方法とは言えない。なぜなら、撮れ高が計算できないからだ。
たとえば、報道番組の街頭インタビューで「首相がこのような失言をしたことについてどう思いますか?」といった質問をする際、多くの場合、聞き出したい内容はあらかじめ定まっている。番組の構成はすでに決まっていて、一般人に言ってほしい「正解」のようなものがある。限られた時間でそれを言ってくれる人を探すのが取材スタッフの仕事だ。思ったようなことを言う人がなかなか見つからなければ、見つかるまでずっと粘るしかない。
