裏金問題で非公認になり出馬断念

  今村氏は2012年の衆院選で、日本維新の会から比例東京ブロックで立候補し、初当選。その後、次世代の党をへて自民党に転じ、17年の衆院選では比例東海ブロックから出馬したが落選。21年の衆院選では自民党都連に擁立され、東京15区からの出馬を目指して公認申請したが、党本部の公認を得られず、無所属で立候補して落選。昨年10月の衆院選でも東京9区から自民党公認での立候補を目指していたが、安倍派裏金問題で今村氏の政治団体もキックバックを受けていたことがわかり、非公認が決定。出馬断念を余儀なくされた。

 自民党関係者は今村氏についてこう話す。

「今村氏はもともと、病院のある愛知県で自民党公認として出馬したいとの意向だった。だが、いまむら病院は人の出入りが激しく、入った看護師やスタッフがすぐに辞めていくという。聞けば、今村氏にはパワハラ体質があるという話だった。また、カネにからむ怪しい情報もあった。とても出馬は無理です」

 今村氏に話を聞こうと携帯電話に何度か連絡をしたが、応答がない。

 いまむら病院に電話すると、
「院長に聞いてもらうしかない。ただ、今電話はつなげない」
 というばかりだった。

 Aさんは話す。

「実際に伝票を作り、物品を買い、業者に送金するなどしたのは病院の職員です。しかし病院内でおかしいと声をあげても、今村氏はパワハラ体質で、逆上し、やるしかない状況に追い込まれる。そういう病院にした今村氏が一番の問題です。こんな人物が国会議員に復帰することがなかったことが、国民として唯一の救いです」

(編集部・今西憲之)

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