
今村洋史元衆院議員が院長を務める愛知県一宮市の「いまむら病院」が新型コロナウイルス対策の国の補助金を不正受給したとして、愛知県は3月に同病院に対して補助金の全額計約17億6500万円の返還と加算金の支払いを求めた。不正に補助金を取得したとして詐欺容疑などでの刑事告発も検討しているという。この問題で、病院の物品購入にかかわっていたAさんが、内幕を証言してくれた。
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「いや、おかしいと思ったんです。いくら新型コロナが感染拡大しているからといっても、とうてい使いきれないほどの医療機器などの物品を矢継ぎ早に買っていく。大丈夫なのかなと心配していたら、案の定でした」
Aさんはこう話す。いまむら病院で問題になっている物品購入を手伝っていた元病院関係者だ。
会計検査院が昨年11月に内閣に提出した「令和5年度決算検査報告」に、いまむら病院の不適切な物品購入は指摘されていた。
検査報告によると、いまむら病院は、簡易陰圧装置や嚥下造影機器などを実際には補助対象年度に納入を受けていないにもかかわらず、納入を受けたとする虚偽の納品書などを事業実績報告書に添付して約8300万円を支出として計上、また病院内の消毒を実際には1320万円で行ったのに、約2000万円を支払ったとして支出に計上するなどして、愛知県補助金を約8500万円過剰に受け取っていた。ほかにも同様に過剰な支出計上で補助金の不正な受給があった。
会計検査院の指摘を受け、愛知県がさらに調査したところ、同様の手口で新型コロナウイルス対策の補助金などとして、いまむら病院が少なくとも合計4億5445万円を不正に受給していたことが判明した。県の資料には、いまむら病院が県の調査にきちんと対応しなかった状況が、次のように記載されている。
〈交付の適正性を確認するため当該法人に対し関係資料の提出を求めたが、会計検査院の指摘に係る経費以外の資料提出を拒否した。また、事実確認に資する資料の提出がなく、提出された資料も極めて少数であったため、県は計 10 回にわたり督促等を行ったが、当該法人はこれに対応せず、 拒否し、あるいは応答しなかった〉