
「監督がコロコロ変わり、チームに一体感がない」
5年ぶりに1軍の指揮を執る三木肇監督だが、打線の組み替えに苦心している様子が見られる。開幕して4試合は辰己を4番で起用していたが、その後は阿部を抜擢。浅村を5、6番で起用する試合が多いが、得点が入らない。もっとも、指揮官を責めるのは酷だろう。スポーツ紙デスクは「テコ入れをしたくてもできない戦力です。助っ人の獲得がなかったことに限らず、楽天に感じるのは閉塞感です。チームを強くするビジョンが見えない。監督がコロコロ変わり、チームに一体感が感じられない」と指摘する。
フロントの責任は大きいだろう。石井一久氏が2018年9月にGMに就任してチームのかじ取りを託されたが、19年以降、現場の監督は石井氏が自ら指揮を執った21~23年を除き、1年ごとに交代している。
19年は平石洋介監督が就任し、前年の最下位から3位へとチームを躍進させたが、続投要請はなく退団。翌20年は三木監督が指揮を執ったが、4位に終わると2軍監督へと異例の降格人事を言い渡された。21年に石井GMが兼任で監督に就任したが3位。22年は4位。23年は石井氏が監督専任で臨んだが4位と優勝争いに絡めず、監督を退任。昨年は今江敏晃監督が2年契約で就任し、交流戦で優勝したものの、シーズン終盤に失速して4位に終わると、契約を途中解除され退団。2軍監督だった三木監督が今年から1軍監督に復帰した。石井氏もGMに復帰し、編成権を持つ役職でチームに携わり続けているが、一向にリーグ優勝に近づいている様子がない。
それだけに地元メディアからも厳しい見方がある。
「今江前監督の手腕に賛否両論の声があったのは事実です。ベンチワークで拙さを感じましたし、起用法にも疑問を感じることが多かった。ただ監督だけに責任を取らせてもこのチームは変わりません。フロントを刷新しないと前に進めない。能力の高い選手はいるのでもったいないですよ。今年も下位に低迷するようだったら、石井GM体制に区切りをつけるべきです」(仙台のテレビ関係者)
ただ、まだシーズンは始まったばかり。楽天OBは「シーズン途中でも得点力を上げるために、助っ人外国人を2人くらい獲得するべきです。現有戦力で優勝を狙えると考えているのなら認識が甘すぎる」と指摘する。フロントと現場の両輪が回らなければ、頂点は狙えない。
(今川秀悟)
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