使い勝手のよくなかったキッチン。カウンターにもモノがあふれています/ビフォー
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 5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。

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case.93 目指したのは家族が過ごしやすい家 夫・子ども2人/会社員

 家の中は完全なプライベートスペースです。「散らかっているから誰も入れないようにしよう」と決めることもできます。一人暮らしならそれでいいかもしれません。でも、家族がいるとそうやってすべてを拒否し続けることは難しくなります。

 片づけで悩む方に話を聞くと、「子どもが友だちを家に連れてきたいと言いますが、ダメだと言い続けています」と言われることが多いです。子どもにとっても、家は自分のスペース。そこで友だちと楽しく遊びたいと思う気持ちは、成長に伴って自然に湧いてくることでしょう。

「娘は小学校3年生。ある日、『明日、お友だちを家に呼びたい』って言われて、『無理!』って断ったんです。でも、そんな母親ってどうなのって。どうにか変えたいなって思ったんです」

 こう話してくれるのは、夫と子ども2人と暮らすあやかさん。自宅の使っていない部屋にはモノが山積みになり、ダイニングにも書類などがあふれている状態。頭の片隅にはずっと「片づけなきゃ」という思いがあったと言います。

「人が来るというときには、リビングにあるモノを紙袋に入れて他の部屋に押し込んで、リビングだけで過ごしてもらっていました。片づけは小さな頃から苦手で、一人暮らしの家もモノがいろんなところに散らばっていました」

 夫は「生活できているし、時間があるときにゆっくり片づければいいよね」という、大らかなタイプ。でも、今の家に引っ越してきてもう10年目。そろそろきれいに暮らしたいと、あやかさんは悩んでいました。

 散らかったままの家の中ではイライラすることが多く、子どもたちに「片づけてよ」と怒ってしまうことも。

 なんとかきれいな家にしたいと、片づけについて調べていたあやかさんは、家庭力アッププロジェクト®の情報を見つけて手を止めます。

「1年ほど前から知ってはいましたが、タイミングが合わずに申し込んでいませんでした。ちょうど今がそのタイミングかなと思って、参加することに決めたんです」

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