
1人旅では「子どものことは考えない」
「仕事も大事だし、子育ても大事だけど、それだけじゃない。もう一つしっかり『自分』というものを見つめ直したときに、私は何しているときが好きなんだろう、幸せなんだろう、と考えて書き出してみたんです。その中の1つが旅でした。平日の昼間、子どもが学校に行ってから帰ってくるまでの間で、行ける場所を見つけてぱっと行って、ぱっと帰ってきます。その旅で決めているのは、『私が喜ぶためだけに頭を動かす』ということ。どうしてもお土産コーナーを見ると、『これって子どもが喜びそうだな』とか思っちゃうんですが、その日だけは一切なし。おいしいものを食べて、温泉に入ったり、好きな神社を巡ったり、とにかく自分のことだけを考える日、というのをつくっています」
今年、長女は高校2年生になった。「私が高校1年生のときにはもう、この仕事をしていたので。感慨深いですね」と山口さん。
「私も夫も就職活動をしていないので、子どもが就職の話をしても寄り添えないのがもどかしくて。その分、私の友人で就職をしている人に親身になって聞いてもらっています。親だけじゃなくて、他の大人と接する機会を子どもにつくってあげるのも、私たちの役割なのかなと思います。子どもたちには、自分が楽しめること、夢中になれることも見つけながら大人になってほしいなと思います」
(藤井みさ)