A:個別銘柄でいうと、バフェットも買っている商社株は手堅いかもしれませんね。いずれも高値圏にありますが、三菱商事、住友商事はともにPBR1倍割れの水準で、配当利回りは3%台後半から4%台。このほか、個人的には半導体関連銘柄も上がると見ています。3月末に、軍事転用防止を目的に日本政府が半導体製造装置の対中輸出規制強化に動いた影響で、ずっと高値圏で推移していた半導体関連検査装置のレーザーテックなども少し下げた。輸出規制が業績に悪影響を及ぼすのは必至ですが、世界的に半導体需要が高まり続けていることを考えると、下げたところは絶好の買い場となりやすい。
C:私のイチ押しは4月12日に上場した宇宙開発ベンチャーのアイスペースですね。初日に値がつかなかったように、超のつく人気IPO銘柄で、現在運行中の無人宇宙機が4月26日にも月面着陸に挑戦する予定であることが明らかにされました。成功したら民間企業としては世界初ですから、株価が10倍に跳ね上がってもおかしくない。失敗したら急落するでしょうが、かつてのバイオベンチャーのような夢がある。
B:足元のMMF(マネー・マーケット・ファンド=ローリスク運用の公社債投信)の資産残高が過去最高を更新して、5兆2500億ドル(約700兆円)に達していますね。MMFは言ってみれば、投資家の待機資金。米国発の金融危機などを受けて避難先として資金が積み上がっていった格好ですが、この待機資金の大きさは確実にこの先の株価を下支えする。
A:米国のインフレも落ち着きつつあり、利上げは打ち止め感が強まっている。来年にかけて、日本と米国の株は好調を維持しそうですね。
(構成/ジャーナリスト・田茂井治)
※週刊朝日 2023年4月28日号より抜粋