
蓮舫氏出馬に危機感を募らせる立憲議員
もっとも立憲民主党なら15万票から20万票の個人票があれば、比例区で議席を確保することは可能だろう。ただし蓮舫氏が出馬し、当選することで、押し出される候補が出てくることは必然だ。
立憲民主党は次期参院選比例区で、19年に議席を獲得した5つの労組の組織内候補に加え、20年に国民民主党から立憲民主党に移ったJAM・基幹労連から郡山あつし氏を擁立する。さらに「小沢枠」で森裕子氏も出馬の予定だ。「小沢枠」からは2022年に青木愛氏が6位で当選している。
これに2019年に当選した非労組系の3人を加えると10議席が必要となる。須藤氏の辞職により繰り上げ当選し、次期参院選で東京選挙区にまわる奥村政佳氏を除いても、全員が当選するには100万票以上の上積みが必要になる。これに蓮舫氏が入るとなると、党内での比例区当選をめぐっての争いはさらに激化する。「特に参院で、蓮舫氏の出馬に反対の声が大きい」(立憲民主党関係者)というが、自分たちの政治生命がかかってくるから当然だろう。
立憲民主党なら15万票から20万票の個人票があれば、当選できると前述したが、そもそも蓮舫氏が比例区で20万票を獲得できるかどうか。22年の参院選で元アイドルで自民党の今井絵理子氏が獲得したのは14万9000票で、元キャスターで日本維新の会から出た石井苗子氏は7万4000票。2012年の都知事選で史上最多の433万9000票を獲得した猪瀬直樹氏に至っては、4万4000票を得たに過ぎない。
蓮舫氏は都知事選で敗退した後もXでは発信を続け、昨年10月の衆院選の選挙番組にも出演したが、「終わった人」感は否めなかった。それでも立憲民主党は、蓮舫氏を次期参院選の起爆剤として期待しているのだろうか。
(政治ジャーナリスト・安積明子)