
昨年7月の東京都知事選に落選した後、政界から姿を消した蓮舫氏に、今夏の参院選に出馬するという噂が持ち上がっている。立憲民主党関係者は、「東京都連を中心に、蓮舫氏待望論が出ている。最も積極的なのは手塚仁雄幹事長で、蓮舫氏と高校時代からの友人だ。そもそも蓮舫氏に政界入りを勧めたのも、手塚氏だった」と話すのだが……。
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蓮舫氏が初出馬した2004年の参院選では、東京選挙区で97万票余りを得て3位当選。民主党政権時の10年の参院選では約171万票を獲得し、トップ当選を果たした。
しかし16年の参院選ではトップこそ維持したものの、獲得票数は激減。そして22年の参院選ではさらに約67万票まで減らし、定数6の中で4位当選に甘んじた。
そんな中での24年の東京都知事選出馬は、「一か八かの賭け」だったに違いない。20年の都知事選で366万票余りを獲得した小池百合子知事には、元側近の小島敏郎氏やカイロ時代にルームメイトだった北原百代氏からの告発でカイロ大学をめぐる学歴詐称疑惑が再燃。しかも小池知事にとっては3期目。21年に1年遅れで開催された東京オリンピック・パラリンピックのようなビッグイベントもなく、目立ちたがり屋の小池知事はやる気を失っていると囁かれていた。
だが蓮舫氏の計算は大きく狂った。小池知事の得票は、300万台を切ったものの、安定の戦いを繰り広げた。立憲民主党を離党し、広く野党の支持を得ようとした蓮舫氏は計算外が相次ぐ。最大の計算外は安芸高田市長だった石丸伸二氏の出現だ。年上の議員をばっさりと切り捨てる動画で話題の主となった石丸氏は166万票近くを獲得し、128万3262票の蓮舫氏を大きく引き離した。