
鈴木さんは、写真1枚から発信できる手軽さのあるインスタグラムで世間の反応を見つつ、リールで動画を貯めた上で、日本国内で7300万人を超えるユーザーを持つユーチューブへとステップアップしたのは正解だったと、分析する。
「昔のユーチューブ動画は、ドーンと派手なテロップを入れてゴチャゴチャしていましたが、いまはテロップも最小限で動画自体もシンプルになるなど洗練されてきており、宮内庁の品の良い動画はそうした流れにも上手くはまっています」(鈴木さん)
SNSの先輩格である英国王室の発信と異なるのは、宮内庁はインスタグラムもユーチューブチャンネルでもコメント欄を開放しておらず、国民の意見はメールや電話で受け付けるという姿勢を貫いている点だ。この点について鈴木さんは、
「批判を恐れるというよりは、コメント欄でユーザーがレスバ(レスポンスバトル)を繰り広げるなどして国民同士が傷付き合うのを避けたいのではないか」
と、見る。

ただし、宮内庁のインスタグラムやユーチューブでは、「国際親善の場や公務での両陛下や皇族方と相手との懇談のやり取りを音声付で流すなど、もう少し幅を広げてほしい」と話す。
実際、「語学堪能な雅子さまが英語で長く言葉を交わされる様子を音声とともに見たい」という声は以前から多い。
天皇陛下や皇族方が通訳を介さず英語やフランス語で談笑し、式典や晩餐会でもスピーチをする場面は少なくない。
陛下が皇太子だった2018年に訪仏した際は、大統領主催の晩餐会では英語で、昼食会では仏語でスピーチを行い、昨年の訪英ではバッキンガム宮殿や金融街主催の晩餐会でも英語で答礼を述べている。