顔や名前は表示されても、その人の性格まではわからない。隣の課が何をしているのかを想像することもままならない。だが、出社制限もあり、すぐに全社員を集めることは難しい。五島さんは来る日も来る日もネットで解決策を調べ続けた。
試行錯誤の末にまずたどり着いたのが、「DiSC研修」と呼ばれるプログラムだった。
余興で役員の秘蔵写真
打ち合わせ一つとっても、アイスブレークから入りたい人もいれば、単刀直入に話し始めたい人もいる。DiSCはこうした社員の性格特性を分析し、コミュニケーション改善を支援する研修として知られ、五島さんも過去に受けたことがあった。
「当時の上司とのコミュニケーションに悩んでいたときに研修を受けて、相手と自分が真逆のスタイルなことに気づいたんです。上司のタイプに合わせて用件から切り出せばいいんだと切り替えてうまくいった経験から、みんなのためになるんじゃないかとSWCでも導入しました」
同意を得た社員のDiSC結果を社内で閲覧できるようにしたことで、相手への解像度もぐっと上がった。なかには「妻の考え方を知りたい」という声もあるほど、身近になっている。
次に始めたのが、「シャッフルランチ」。その名の通り、部署や役職が異なる人同士でランチに行くというもので、名前は違えど、取り入れている企業も多い。SWCでは参加を希望した社員たちを五島さんがスラックでチーム分けし、「後はお任せ」なスタイルを取る。参加者の満足度は高く、9割が「継続してほしい」と希望した。
「毎回やるのは大変なので、参加者リストを出せば会社がお金を補助する『GO!GO!ランチ』という制度に切り替えました。毎回同じ人と行くケースは意外と少なく、他部署と交流するきっかけになっていると感じています」(五島さん)