
そんな青木真也選手が日本で試合を行うのは約1年ぶり。年齢は41歳。現役選手としては高齢になります。私が見始めた頃はまだ20代でした。それからずっと第一線で活躍しています。
試合は完勝! 1分以内で決着がつきました。1万人以上の観客が発する大きな声援で沸きたつ会場を見渡し、私はひとり勝手に感無量に。
青木真也選手がいなかったら、ジェーン・スーは誕生しなかったと思うのです。KIRINJIを始め私を支えてくれた文化はいくつかあれど、青木選手の存在は、私が毎日を前に進めていく大きなファクターのひとつでした。力をもらっていました。
ありがたいことに「スーさんに励まされています」と言われることも増えました。私が渡したエネルギーの源流には、青木選手がいます。
仙女しかり、青木さんしかり、こうやってエネルギーのバトンを渡していくのが、文筆やラジオなどで人様に表現活動を観てもらう私の仕事の使命のひとつなのだと、身の引き締まる思いでした。
※AERA 2025年4月7日号