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ひとり社長なら、自由なライフスタイルで働ける 

 発達障害は、先天的にできることとできないことの差が激しいです。

 例えば、私は何か特定の作業にのめり込んで、24時間中18時間くらいぶっ続けでやり切ることができます。その一方で、ADHDの私は気が散りやすいです。知り合いがいる環境ですと、知り合いに気が向いてしまい、全く集中できません。

 会社勤めをしていた時は、同じフロア内に、知っている人たちが多くいて、動いたり会話をしたりしていました。急に大きな音で電話が鳴ったり、誰かが自分の後ろを歩いたりもします。なので、会社のオフィスで集中して働くことが極めて困難でした。

 しかし、会社勤めをする場合は、他の人が多く働いていたり、ルールや伝統などもありますので、あなただけに配慮して、あなたにとって最適な労働環境や働き方にすることは難しいと思います。

 その点、ひとり社長であれば、あなたが決裁者ですので、全てあなたの自由です。カフェで働くのも良いですし、始業時間はお昼の12時からでも、ランチ後に1時間のお昼寝休憩を設けても良いのです。

 ひとり社長になった私は、視覚と聴覚への刺激が多すぎると集中できないので、大きなパーテーションで視覚情報を減らすことができ、聴覚情報を減らすためにイヤホンをつけて働いてOKなコワーキングスペースを仕事場として選択しました。

 そうしたら、目の前の仕事に集中できるようになりましたので、これだけでもだいぶ仕事のパフォーマンスが高まりました。

 しかも、それだけでなく、副次的な効果もありました。

 例えば、仕事中にアスペルガー症候群の特徴でもある「過集中」(過度に集中した状態)に入ってしまい、2時間ほどのめり込んで何かの仕事に取り組み、その後は体力を使い切って、何かをする元気がなくなってしまうことが多々あります。

 今はそんな時は、スマホのゲームをしたり、昼寝をしたり、SNSを流し見するなどして30分〜1時間くらい、仕事をしない時間を作ってリフレッシュしています。

 このような行為は「サボり」と思われかねない行動でしたので、会社勤めの時は絶対にできませんでした。しかし、ひとり社長だからこそ、できています。

 他にも私は朝が苦手で、睡眠時間が足りていないと、注意力や記憶力がさらに低下してしまいます。

 その対策として、打ち合わせなどの予定がない時は、目覚ましをかけず十分な睡眠を取ってから、仕事場に行くようにしています。その結果、普段の頭の回転、記憶力、社交性がだいぶ高まったと感じています。

 働き方が自由になったことで得られたメリットを挙げたらキリがありませんが、このように、発達障害は凸凹が多いものの、ひとり社長になれば、自分の特性にあったライフスタイルで働けるようになって、それだけでも仕事の質を高めることができます。

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